スモーキーマウンテンイメージ写真1
 
「これなら心が盲いたおまえのような女にも見えるだろう」
暗い森のガンザが、かの地を仰ぎ見る
「あそこが、スカベンジャーロッジ」
 流浪のカルメンが立ち上がる
「洒落た宿屋を期待して飛び込んでみりゃ、
ここはドブネズミの住処かい?
ここが今夜の寝床だっていうなら
あたしゃ神さんを信じないね」
 
列島の時間から完全に切り離された陸の孤島、
最果ての廃棄物集積所。
ありとあらゆるゴミが山となり、
常に有毒ガスが立ちこめている。
迷い人や野犬の白骨死体がそこに混じり、
いつからかそこは「骨山」と呼ばれるようになる。
骨山
スカベンジャースカベンジャーと呼ばれる人々がいる。
この骨山で空き瓶や金属など、
換金出来るゴミを拾い集め、
どうにかその日の糧を得る。
「買い取り屋」と呼ばれる換金商は
安価で買い叩いた物品を他土地で転売する。
骨山のふもとにはバラックが連なり、
場末の闇酒場の店内では
娼婦たちがしなを作り、
ラムネ1本の値段で買われていく。
バラック
骨山夜烟る骨山の頭上に満月が横たわり、風向きが変わる。
遠いイスパニアの花の香は黒い記憶を呼び覚ます。
 
骨山にある夜訪れたのは、
馬車をなくしたまつろわぬロマたち。
そして都の者たち。
悪臭と毒霧に苛まれるスカベンジャーたちの日々の暮らしに
少しずつ不思議な変化が訪れたのはその頃だったか…


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